一、礼儀を徹底しよう
「礼に始まり礼に終わる」これは空手の基本であり原点です。挨拶は、自分から先に、相手に正面を向いて、聞こえるようにしよう。また、トイレや道具を譲り合って使うなど、お互いを思いやって稽古しよう。
一、整理整頓しよう
整理はいらないものを捨てること。整頓は使ったものをもとの場所に戻すこと。
ゴミが落ちていたり、トイレが汚れていたり、ミットがぐちゃぐちゃに積んであることに気付いたら、自分からキレイにしよう。
一、軽はずみな言動は慎もう
打撲の傷は時間が経てば癒えますが、心に突き刺さった言葉は、何年も残ってその人を苦しめます。
言葉は人を生かしも殺しもすることを知り、軽はずみな言葉や言い方は慎もう。
一、常に謙虚に自分自身を見つめよう
尊敬できる記録を作った人はたくさんいますが、本当に尊敬できる人はわずかです。
経験が長いとか、大きな大会で何回優勝したとか、それも確かにすごいことです。
けれども空手道MACが本当に大切にしたいのは、「今あなたがどのような姿勢で稽古しているか」ということなのです。
威張ることもなく、驕ることもなく、うぬぼれることもなく、常に謙虚に、丁寧に稽古を重ねよう。
一、目線は高く、視野は広く
自分より弱い者の前で格好をつけることほど格好悪い事はありません。
「心・技・体」の道は、遠く深いものです。目指すところは常に高く、見ている視野は常に広く。心だけでなく、技だけでなく、体だけでなく、総合力・人間力を養おう。
一、明るく、気持ちよく稽古しよう
誰しも体調や気持ちが落ち込んだり、乱れたりすることはあります。怒れたり、気にいらないこともあるでしょう。けれども、その気持ちを、あからさまに顔つきや態度で表現するのは、稽古を積んで成熟した空手家の態度ではありません。稽古前の黙想で、気持ちのスイッチを切り替えよう。
一、常に相手を尊重する。
「先輩や先生を尊重する」のは怖いからですか?強いからですか?
後輩や同級生を尊重しないのは、怖くないからですか?自分より弱いからですか?
道場には、先輩、後輩という立場の違いはあっても、「人間的な上下」はありません。
後輩も尊重し、同級生を呼び捨てで呼んだりすることは慎もう。
一、道場へ来る時には身だしなみをきちんとしよう。
道場に乱れた格好で来る人があります。いくら気心が知れた仲間がいるからといって、道場はあなたの家ではありません。稽古の場です。身だしなみを整えて道場に来よう。
一、チャレンジ精神は、空手道MACの原点です。
常に何かにチャレンジしている人は、失敗も、成功も早く経験します。そこから学ぶことのスピードが速いので、成長するスピードも早くなります。チャレンジしない人は、それなりに無難に過ごせますが、新しいことにチャレンジしたり、新しい考え方を持つのが怖くなります。チャレンジするクセをつけよう。
一、勇猛心と柔軟心をもって前に進もう。
MACの会員には、道場でも、学校でも、勉強でも、勇気を持って前に進んでもらいたいと思います。
困難に思えること、ハードルの高いことに取り組むには勇気が要ります。走り出すための勢いがいります。
と同時に、他人のアドバイスを受け入れたり、はじめのうちは「上手くいかない」現実も受け入れていく柔軟な姿勢が必要になります。
人間力が一段階高まる時は、自分に負荷がかかった時です。
誰かのせいにせず、原因は自分にあると思ったとき。他人ではなく、自分を変えようと思ったとき。
誰かに言われてやるのではなく、自分から進んで何かをやるとき。叱られたことを反省し、心から謝っているとき。失敗を取り返そうと必死になったとき。避けて通りたいとき。穴があったら入りたいとき。そんな時こそ人間の器がひとつ大きくなります。
一、空手を学ぶ目的をあらためて考えよう
空手を学ぶ目的は、誰かを傷つけたり、自分の鬱憤を晴らすことではありません。
チャレンジ精神をもって心を修め、技を修め、体を修める稽古を通して、あなた自身が成長することが最終目標なのです。
一、人のために自分の力を差し出そう
年間を通して、審査、大会、合宿、審判講習会など、MAC全体、もしくは各支部の行事があります。
私達は、あなたが出場するときは仲間が、仲間が出場するときはあなたが、時間を都合がつく範囲でよいので、喜んで差し出す姿を理想とします。
各行事は、あなたの、仲間の「チャレンジ=成長」の舞台です。あなたの成長を支え、心から喜んでくれる仲間がいる。仲間の成長を支え、心から喜べるあなたがいる。そして気がついたら、支える側も、支えられる側も成長し、お互いの信頼がさらに深まっていく。そんな空手道MACでありたい。
一、自主トレこそ自分自身のレベルアップへのチャレンジが出来る
稽古には2種類あります。ほとんどの人が一種類しかやりませんが、強い人は2種類やっています。一つは他人とやる稽古。もう一つは自分だけでやる稽古、自主トレです。自主トレは自分の心と体との対話ですから、空手と自分の距離がグーンと深まります。「次回の稽古までに、前回の稽古で学んだ事、反省点などをひとつでもクリアしていこう」という、その気持ちがあなたに革命を起こします。
一、問題、分からない事はすぐに相談しよう。
自分のことは、自分が一番よく知っているつもりで案外知らないものです。自分が苦手と思っている技が意外に強かったり、逆に自信を持っている技がそれほどでもなかったりします。先生や先輩はあなたが思っている以上にあなたのことをよく知っていますから、質問すれば的確に答えてくれるはずです。ただ、質問、相談するにはルールがあります。質問のポイントを絞ること。そして頼って質問したのなら、いただいたアドバイスを素直に実行してみることです。質問した内容をクリアして成長している姿を見ると、教えた先輩は嬉しくなってもっと色んなことを教えてくれます。一見怖い先輩にこそ質問しよう。
一、年輩者及び少年部のハードな走り込みはマイナスである。
伝説の格闘家ヒクソングレイシーは2時間力を入れる稽古をしたら、2時間は体をゆるめたり、バランスを整える時間をもったといいます。年齢を重ねれば重ねるほど、自分の器を知ったクレバーな稽古をしないと結局長続きしません。稽古の質と量。運動の強度と回数。自分の心身の発達や体力の衰えを知り、素直に認めて逆にそれを生かすような稽古をすれば、体のピークは20歳ではなく、60歳まで伸びるとも言われています。
一、マンネリは飽きる。常に柔軟な発想でトレーニングする。
3ヶ月続けて進化が見られなければ、その稽古が効果的でないことがあります。また効果的な稽古であってもマンネリ化して新鮮味がなくなると、ただダラダラそのメニューを続けてしまい、かえって下手になることさえあります。現状が望ましくないのなら、何かを変えてみることです。それぐらいの柔軟性が欲しい。
一、テーマを掲げて稽古する。(より正しいフォーム、スピードアップ、パワーアップ)
「今何を考えて稽古してるの?」と聞かれて即答できる人は、毎回の稽古に明確な目標を持って望んでします。だから目標に到着するまでが早いです。試合でも審査でも、逆に目標がない人は、行き先が決まていない旅行をしているようなものですから、旅には出ているのにいつまでたっても目的地に到着しません。
試合、上の帯、右が出来たら左、スタミナアップ、スピードアップなど。何でもいいから目標を持とう。
一、ゆっくり動くトレーニングほど自分自身のチェックが出来る。
新しい動きを取り入れようとすると、あなたの脳には新しい神経回路が作られます。他の人と比べて焦って速く動こうとすると、脳がついてこれません。
新しい技を覚える時、動きを修正するときは、一度ゆっくり動きを確認してみることです。動きの中に無駄があったり、体の柔軟性が欠けているせいでバランスを崩していることが分かってきます。
一、捌く組手をする事によって後輩も受けに慣れて来る。
あなたが先輩で後輩と組み手をする時、いつも体で受けてあげるだけだと捌きの練習になりません。
捌く組手をすることで、あなた自身の稽古にもなりますし、後輩もその動きを学習していきます。
一、慣れは上達の早道である。
すべての学習、成長には次の4つのステップがあります。
1.意識していなくて出来ない 2.意識していて出来ない 3.意識して出来る 4.意識しなくて出来るという4段階です。もし今あなたが、何かを習得しようとがんばっているのになかなか上達しないと思っているのなら、凹むことはありません。あなたはすでに2番目の段階にいます。2の段階に慣れれば3に、3に慣れれば4に入ります。